ラクトセラムと新型コロナ

新型コロナウィルスでのデータは未取得ですが,以下ような知見からラクトセラム錠は新型肺炎の重症化予防や後遺症軽減に有効性が期待できます。特に発症された方にはラクトセラム錠を試してみて頂ければと思います。

SpO2の改善効果
メカニズムの詳細は不明ですが,ラクトセラム錠には,必要酸素量の低減効果があります。マウスラットだけでなく,人でも低酸素室内で低下したSpO21時間程度で改善する事を確認済です。新型コロナでのデータはありませんが,突発性肺線維の患者でSpO290%から93%程度に回復できた例もあります。

ミウラドルフィンズの低酸素室での試験(コニカミノルタPULSOC-300iで計測)

抗喘息作用

新肺炎は喘息にも似た症状で喘息は新型コロナの重症化因子です。新型肺炎ではロイコトリエンD4LTD4)というケミカルメディエーターが亢進している事が判っており(J Med Virol 2021 93(4):2340-2349),ロイコトリエン受容体の拮抗薬に抗新型コロナ薬としての可能性も期待されています(J Med Virol 2021 93(4):2340-2349)。

Orotic acidは,製薬企業の抗喘息薬のスクリーニングで,LTD4受容体の拮抗作用が確認されましたが,既知物質であるので医薬品としての開発は見送られた物質です。
その後,新型肺炎の重症化リスクでもある
喘息・アレルギーへの有効性が,ブタクサの花粉症患者や花粉暴露室でのスギ花粉試験でも確認されています(データ未発表)。

抗炎症作用

Orotic acidの抗炎症作用は公知です。さらにCOPDモデルモルモット(タバコ暴露試験)において特異的気道抵抗(sRaw)を指標に気道炎症の抑制効果を確認しています。その際,過酷な条件では,モルモットの死亡も確認されましたが,Orotic acid投与群の方が明らかに生存率も高いという結果でした(データ未発表)。

IL6の抑制作用もあり,サイトカインストームの抑制も期待できます。

抗酸化ストレス作用
新型肺炎では,酸化ストレス障害による過酸化脂質レベルの上昇が知られています。ブロイラーの暑熱ストレスモデルにおいて,飼料に0.7%のラクトセラムを添加すると,暑熱ストレスによる過酸化脂質の増加を完全に抑制できる事が判りました。そのメカニズムはビタミンC,Eとは異なる抗酸化のメカニズムでした(Metabolites 2020 10 189)。