糖尿病への効果について

京都府立医科大学との共同研究のきっかけ

糖尿病におけるミトコンドリアの機能低下との関連は古くから知られており,国内の糖尿病の1%程度はミトコンドリアの遺伝子の変異が原因とも言われています。ミトコンドリアの機能維持には,機能不全に陥ったミトコンドリアをオートファジーで分解する「マイトファジー」というメカニズムが働いている事も知られています。

2014年京都府立医科大学の的場聖明先生らは
・膵臓β細胞において,p53はマイトファジーを抑制する
糖尿病のβ細胞においてはp53が増加している。
・糖尿病において,マイトファジーはβ細胞のインスリン分泌を改善する

などの知見を見出し,糖尿病においては,p53の増加によってマイトファジーが減少し,ミトコンドリアの機能低下,インスリン分泌能が低下する事が糖尿病の発症原因である事を発表しました(PNAS 111(8) 3116-21(2014))。

弊社では,オロト酸がペットの糖尿病に有効という知見を得ており,そのメカニズムとしてβ細胞の低酸素状態に起因する酸化ストレスの結果として,ミトコンドリア呼吸鎖の機能低下を生じ,その結果として細胞内ピリミジンレベルが低下によるp53の上昇,さらにはβ細胞のアポトーシスが誘導されるという仮説を考えており,p53が共通のキーワードとして的場先生に提唱した結果,京都府立医科大学で検証頂ける事になりました。

実験条件と結果の概要

Ⅱ型糖尿病モデルのdbdbマウスを用い,オロト酸0.5%,1%混餌飼料での結果を無添加のコントロールと比較しました。

その結果,オロト酸投与群で用量依存的にインスリン分泌が継続し,p53の発現およびβ細胞のアポトーシスも抑制されました。

弊社の仮説である低酸素状態の関与については今後の検討課題ですが,少なくとも,オロト酸の供給でp53の発現が抑制でき,β細胞のインスリン分泌能が維持できる事が確認され,ピリミジンの栄養成分としての重要性を示す事ができました。

課題と今後の期待

ミトコンドリアの機能が低下していると言われる糖尿病患者ではピリミジン不足が強く示唆されますが,実際に充足していない事の検証が今後の課題です。また糖尿病では血液の粘性上昇などで血流の低下,酸素不足が懸念されます。一方でオロト酸には,低酸素や低血流状態での組織のATPレベルの維持作用もあり,さらに新陳代謝に対する鍵栄養でもあるので,糖尿病での重症化防止にはラクトセラム錠をサプリメントでの摂取が有効と考えます。

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