猫の慢性腎障害(CKD)への効果

猫のCKD

・CKDは高齢猫で最も頻度の高い慢性疾患のひとつ
・10歳以上では30~40%,15歳以上では50%以上が羅患
・高齢猫の主要な死亡原因のひとつ
・CKDは進行性・不可逆性であり,進行を抑制する新たな治療・栄養学的アプローチが
 求められている。

CKDの発症メカニズム



加齢や酸化ストレス障害による腎臓の尿細管細胞の慢性的な低酸素,ミトコンドリア機能の低下による細胞死,線維化が原因。

腎臓は多量の酸素が必要で酸欠になりやすい組織

・腎臓は体重の0.5%を占めるが,心拍出量の20~25%が流入
・尿細管での再吸収には大量のATPを必要とする
・腎髄質は生理的にも低酸素状態
・造血ホルモンのエリスロポエチンは腎臓で生成される

オロト酸がCKDに有効と考えた理由

・低酸素・低血流状態でのATPレベルの維持による組織の保護作用
・虚血再灌流障害の組織では,損傷の修復のためのピリミジン枯渇
・オロト酸では,低酸素への適応とピリミジン供給の二つの効果が期待される

CKD猫での臨床試験

CKDネコ9例(IRIS Stage 2:8例、Stage 3:1例)に300 mg/日を8週間投与した結果、

・血中クレアチニンおよびSDMAは有意に低下した。
・血中尿酸も有意に低下した。
・血中尿素窒素には有意な変化を認めなかった。
・L-FABPおよびUPCには有意な変化を認めなかった。
・その他,血液検査,全血球計算(CBC),尿検査で異常無し。
・活動性・食欲・排泄などで臨床的に問題となる兆候も認められなかった。

結論

オロト酸は腎機能低下ネコにおいて良好な忍容性を示し、腎機能を改善する可能性が示唆された。

腎機能指標への効果

クレアチニン 腎機能の指標。

筋肉を動かすエネルギーを使った後にできる、体内のゴミ(老廃物)。通常は血液から腎臓でろ過され、尿として体の外へ出されるが,腎臓の機能低下で血中濃度が上昇する。
筋肉量,運動,食事,水分不足(脱水)など変動するので,猫ではSDMAの方が検査精度が高いとされる。

 SDMA 対称性ジメチルアルギニン 

犬や猫の腎臓の健康状態の指標。クレアチニンは腎機能が75%低下してから上昇するのに対し,SDMAは40%低下した段階で上昇する。クレアチニンは筋肉量に影響されるが,SDMAは筋肉量(体重)の影響を受けずに腎機能を評価できる。

新着情報・お知らせ

2026/9/30
猫CKDへの効果をウェブ公開しました。
2026/9/08
猫CKDへの効果を日本獣医学会で発表しました。
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亜鉛化合物配合組成物の特許が成立しました。
2025/9/08
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2025/4/11
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